勘違い・聞き間違い・言い間違い・変換ミスものがたり・その3

10 months ago

Japanese★本日は日本語のみでお送りいたします。
※写真は本文内容と関係ありません。こちらは友人宅でのホームパーティーの時の写真です。

今回の話題も方言です。
前回の
勘違い・聞き間違い・言い間違い・変換ミスものがたり・その2
の記事の最後の方で少し書いたのですが、方言はだいたい以下のように分類されます。

1.十分通じる言葉だけどイントネーションが違う（関西弁が代表例）
2.標準語にもある言葉が別の意味で使われている（なおす、なげる、みてる、せこい、など）
3.全く異なるボキャブラリー（けやぐ（親友）、やっとかめ（久しぶり）、がいな（大きい・すごい））
4.特定の製品についてその地方独特の呼び方（絆創膏：カットバン、リバテープ、キズバン、サビオ）

今日はこの中の「2.標準語にもある言葉が別の意味で使われている」言葉の話題です。

「離合」って分かる方はいらっしゃいますか？
「りごう」と読みます。（そのまま）

方言で使われる「離合」は狭い道で車同士がすれ違うことを言います。

※写真は本文内容と関係ありません。こちらは道の駅の食堂で食べた「鶏ちゃん定食」です。

これも前回同様、九州地方（主に九州北部）でよく使われている言葉です。
しかし、私はこの言葉を子供の頃、母の故郷である広島県で何回か聞いたのです。

私が生まれた頃〜小学生の頃、祖父母の家は広島市内にあったのですが、その場所は高い丘の上にあって、周辺はものすごい坂道ばかりでした。
住宅地だったのですが、本当に急な坂道が網の目のように張り巡らされているような場所で、結構都会なんですけど、車に乗っていると山奥で400番台の国道を走っているような感覚だったことを今でも覚えています。

広い道もあったけれど、住宅が混み合っていて道の狭いところもあり、そういう場所について
「すれ違うことができるか」について、親戚の人とかタクシーの運転手さんが
「ここは離合は難しいけん、あっちへ回るわ」とか
「あの道は離合できるところが限られとるけんね」とか
「離合困難の標識が立っとるけど、あそこはなんとかなるよ」とか
そんなふうに言っていたことを覚えています。

そう！「離合」はただ単に車がすれ違うのではなく
「すれ違えるかどうかの狭い道で、お互いに慎重に、ギリギリの線を探りながら、ドライビングテクニックを駆使して、無事にすれ違う」
そのようなシチュエーションを指すのです。

※写真は本文内容と関係ありません。こちらは近所の食堂で食べた「とんてき定食」です。

それでは「離合」は標準語では何か？ということですが、なんと鉄道用語なんだそうです。

「鉄道の複線区間で、車両がすれ違いをすることを離合と呼ぶ」または
「鉄道の単線区間で、上下列車の交換をすることを離合と呼ぶ」んだそうです。
「上下列車の交換」は、駅の放送では「列車の待ち合わせ」と言い換えられますね。

一応「車両がすれ違うこと」である点では同じなんですけど、ニュアンスが違うんですよね。

実際に「離合」は「車同士がすれ違うこと」というと、コアな方からは
「違うの！単にすれ違うんじゃなくて、ドライビングテクニックを駆使しなければいけないような環境で、お互いに細心の注意を払いながら狭い場所ですれ違うことを言うのよ！！！」
って訂正されますね（笑）

「離合」分布は、九州の福岡県がメッカのようなのですが、九州全体および、西日本のいくつかの場所で確認されているそうです。

私は広島で使われていることを確認しているのですが、岡山県の方に聞くと「え〜リゴウなんて知らないよ」と言われたので、中国地方で必ず通じるわけではないようですし、山口県の方にもまだ聞いてみたことがありませんので、どれくらいの範囲に分布しているかは分かりません。

今後も話題の一つとして方言研究に勤しみたいと思います。
方言って楽しいですね。

■ひとこと日記
今日はかなり寒い日で、20:30現在で気温が3.3℃まで下がっています。
そんなのあったかい方じゃん！と言われそうですが、私の住んでいるエリアではこれはかなりの寒さです。
12月からずっと風邪をひいていて、治しても治しても、不死鳥のように蘇ってくる風邪に参っています。
ビタミンC、もっと摂らなきゃ！